連載 りれー随筆・463
天使ママの笑顔
村田 まどか
1
1ありのみ助産院
pp.176-177
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134781680790020176
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彼女に初めて会ったのは,ある12月。私はいつも通り出勤し,分娩進行者の名前がずらーっと書かれたホワイトボードを眺めて業務分担を確認しました。その日は3人の産婦さんの担当でした。41週の予定日超過,39週の前期破水,そして39週1日の子宮内胎児死亡(IUFD)。心臓がギュッとしました。情報収集し,夜勤担当者から申し送りを受け,まずIUFDの彼女の部屋に向かいました。
「おはようございます。本日担当する村田です」。私は彼女の表情を見てから,今日一日どうやって関わっていくかを決めようと考えていました。彼女は私に「よろしくお願いします」とニコッと笑いかけてくれました。その目は,赤く腫れ上がっていました(当然だ。辛くて,苦しくて,悔やんで,何度もごめんねとお腹に呟いたのだろう)。
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