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事例報告
新型コロナウイルス感染症治療後,薬剤性肝障害により一般病棟へ転棟した認知症高齢患者への看護—病棟看護師と共に取り組んだ効果と課題
Nursing for an Older Patient with Dementia Transferred to a General Ward due to Drug-induced Liver Disease after Treatment for COVID-19—Effects and Challenges of Working Together with Ward Nurses
富田 ゆり子
1
Yuriko Tomita
1
1埼玉県済生会川口総合病院
1Saitama Saiseikai Kawaguchi General Hospital
キーワード:
新型コロナウイルス感染症
,
一般病棟転棟
,
認知症高齢患者
,
病棟看護師
Keyword:
新型コロナウイルス感染症
,
一般病棟転棟
,
認知症高齢患者
,
病棟看護師
pp.104-111
発行日 2024年7月31日
Published Date 2024/7/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
新型コロナウイルス感染症のための専門病棟(以下,コロナ病棟)に入院した認知症高齢患者は,その治療後に一般病棟に転棟して回復期を過ごすことがある.隔離された環境での治療により運動機能,認知機能が低下した認知症高齢患者を受け入れる一般病棟の看護師からは対応が難しいという声が挙がっていた.そこで,認知症高齢患者がコロナ病棟から一般病棟に転棟することが決まった時点で情報収集を行い,初期看護計画を立案して転棟時から病棟看護師に対応方法の周知を図ることを計画した.この取り組みを行ったA氏の事例を報告する.
転棟時A氏の身体状態が予想よりも回復しておらず,初期看護計画はすぐに苦痛の緩和を中心とした援助に変更した.この間,退院に関して家族の思いを聴くことはできた.A氏の身体状態の回復後から病棟看護師にパーソン・センタード・ケアシートを用いてもらったことでA氏についての理解が進み,コミュニケーションが円滑になった.退院に関してA氏の思いを聴くことはできなかったが,予定どおりに施設への退院となった.患者,家族からの肯定的な反応があったことから病棟看護師は成功体験としてこの事例を受け止めることができた.
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