症例カンファレンス
100kg超の短時間の腹臥位手術
古賀 聡人
1
,
柿沼 玲史
2
,
南立 宏一郎
3
,
柴田 晶カール
4
Akihito KAKINUMA
2
,
Koichiro NANDATE
3
,
SHIBATA, Sho Carl
4
1兵庫県立西宮病院 麻酔科
2帝京大学医学部 麻酔科学講座
3ワシントン大学医学部・ハーバービュー医療センター 麻酔科
4大阪警察病院 麻酔科
pp.551-569
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134088360320060551
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飽食の時代,日本国内における肥満(BMI≧25kg/m2)の割合は31.7%と増加傾向であり,全世界では2050年に人口の半数超がBMI 25以上になると推測されている1)。さらにBMI≧30kg/m2の人口は,1975年から2016年にかけて,肥満大国である米国では約11倍(1.4%→15.1%),日本では約75倍(0.1%未満→0.4%)にも増加している。肥満患者が増えているという臨床での実感は,あながち間違いではなさそうだ。
今回は,肥満×腹臥位という一般的に嫌われモノの組み合わせに加えて,短時間手術としてできるだけ手術室を効率的に運用してほしいという注文まであった。病院経営が苦しい中,どうすれば安全性と効率性を両立させられるか。今月号の徹底分析シリーズにもあるように,腰痛予防など労務管理の観点からどういった工夫ができるか。「安全=許容できないリスクがないこと」という定義から考える,安全な方法について,さまざまな観点から読んでいただきたい。

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