特集 看護管理者のための心身ケア ポリヴェーガル理論を活かしたストレスケアと心理的安全性の保ち方
メンタルヘルスケアの潮流とポリヴェーガル理論の臨床応用—精神医学の立場から
金井 講治
1
1三重大学保健管理センター
pp.320-328
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550360040320
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組織のメンタルヘルス対応における従来のゴールデン・スタンダードは,「薬物療法と休養」であり,その後に復職支援へつなげる方法でした。しかし近年,精神科臨床と産業保健では大きなパラダイムシフトが起きています。メンタルヘルスの問題を働く個人の特性や努力不足に帰結させるのではなく,過重労働や対人関係,組織風土といった「心理社会的要因」をリスクとして捉え直し,組織全体で予防・改善に取り組む「システム型」へ転換する流れです。
本稿では,この潮流を後押しした要因の1つであるポリヴェーガル理論(多重迷走神経理論)を取り上げ,その要点と活用の手がかりを紹介します。解剖学的には議論がありながらも,臨床的な視点における有用なレンズとしての可能性に注目します。

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