特集 原因追及ではなく「うまくいったこと」に着目する 探求アプローチのすすめ
扉
pp.538-539
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091713550350070538
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医療安全においては長らく,エラー発生時点から過去にさかのぼって原因追及を行う,いわば「分析アプローチ」が主流でした。しかし,原因特定を目的とした詳細なヒアリングによって,報告者と医療安全担当者の双方にネガティブな感情が生じたり,対策のためにマニュアルが増えたりと,現場の負担増につながることも少なくありません。
実際に医療現場で報告されるインシデントの多くはレベル0〜2であり,実はそこには,「エラーや失敗が発生したものの,重大事故を未然に防いだ」という結果が示されていると言えるのではないでしょうか。
本特集では,エラー発生後の「発見」「報告」「対応」のプロセスに着目し,原因追及ではなく「うまくいったこと」を共有し,既存のルールやマニュアル,システムの再評価を行う「探求アプローチ」を紹介します。その考え方や実践を通して,医療現場での新たな安全文化の定着を目指します。

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