昭和の暮らし・第107回
モノの世代交代:おまけ
市橋 芳則
1
1北名古屋市歴史民俗資料館
pp.1384
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590121384
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「おまけ」という言葉には,なぜかワクワクを感じる.何かを購入すると,おまけとして何かがついてくる.無料であり,目的をもって買う何かより魅力を感じることも多い.スナック菓子についてきたヒーローや野球選手のカードを,子どものころ,ずいぶん集めた記憶がある.実物は残っていない.
この「おまけ」としてロングラン,長寿商品のひとつにグリコのおまけがある.江崎グリコが栄養菓子「グリコ」を発売したのが1922年(大正11年)のこと.学校の帰り道,じゃんけんをして,パーで勝ったら「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」で6歩,チョキなら「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」で同じく6歩,そしてグーで勝てば「グ・リ・コ」で3歩進めるという遊びがあった.パイナップルやチョコレートと同じく,グリコのキャラメルは昭和の子どもが好きなおやつの代表格として存在していた.1922年の発売当初からすでに絵カードが封入されていたが,豆玩具をおまけとして入れるようになったのは,1927年(昭和2年)からで,このころは,主に金属製のバッジやメダルが入れられていた.
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