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実践報告
作業遂行6因子分析ツール(OPAT6)を用いた作業療法の実践—認識変容に対して介入することで食事自立に至った1症例
Occupational therapy using the Occupational Performance Analysis Tool with 6 Factors(OPAT6): a case in which intervention in cognitive change led to independence in eating
上野 佳美
1
,
後藤 伸介
1
,
小林 幸治
2
,
池永 康規
1
Yoshimi Ueno
1
,
Shinsuke Goto
1
,
Koji Kobayashi
2
,
Yasunori Ikenaga
1
1やわたメディカルセンター
2目白大学
キーワード:
作業遂行
,
主体性
,
OPAT6
Keyword:
作業遂行
,
主体性
,
OPAT6
pp.1156-1160
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091513540590101156
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Abstract:食事に課題がある高次脳機能障害を有する患者に対し,作業を中心概念とした課題分析手法である作業遂行6因子分析ツール(OPAT6)を用いて作業療法を実施した.当初は食事能力をキーファクターと考え「活動」へのアプローチを行い,それにより機能的な改善は認められたが,意欲や感情機能は悪化し,食事の自立には至らなかった.そこで,「認識」をキーファクターとした療法戦略に変更し,その作業として集団活動を選択した.その結果,集団での対人交流が生活の楽しみを創出し,食事意欲を向上させ,食事の自立に至った.OPAT6では6つの因子を並列的に捉え,それらの相互作用も含んだ全体像として課題を分析するため,今回の患者の認識,情緒の影響を見落とすことなく課題と療法戦略を可能とした.OPAT6は作業療法の有用なツールの一つであると考えるが,今後は症例数を増やし,さらに検討を進めるとともに,有用性について科学的に実証することが必要である.

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