今月の主題 輸血検査
話題
アルブミン製剤の有効性に関するCochrane報告
高本 滋
1
Shigeru TAKAMOTO
1
1愛知医科大学輸血部
キーワード:
アルブミン投与
,
メタアナリシス
,
死亡率増加
,
Cochrane報告
Keyword:
アルブミン投与
,
メタアナリシス
,
死亡率増加
,
Cochrane報告
pp.902-907
発行日 1999年8月15日
Published Date 1999/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916925
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1.はじめに
従来,ショック,火傷,低アルブミン血症などはアルブミン投与の適応1~3)であり,アルブミン投与による治療効果の向上,結果としての救命率の上昇が期待されていた.しかしながら,1998年7月,英国の"Cochrane Injuries Group Albu-min Reviewers"より,重症患者の治療に際し,アルブミン投与がかえって死亡率を上昇させるという,まさにショッキングな報告4)が発表された.以降,欧米を中心に本論文の妥当性,信頼性についての議論5~8)が起こっている.
本稿では"Cochrane報告"を概説するとともに,その問題点などを指摘したい.
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