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耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域
10.唾液腺疾患
耳下腺がん
多田 雄一郎
1
1国際医療福祉大学三田病院頭頸部腫瘍センター
キーワード:
唾液腺がん
,
病理学的悪性度分類
,
HER2
,
アンドロゲン受容体
,
臓器横断的治療
Keyword:
唾液腺がん
,
病理学的悪性度分類
,
HER2
,
アンドロゲン受容体
,
臓器横断的治療
pp.173-176
発行日 2025年4月30日
Published Date 2025/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.091434910970050173
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POINT
◆TNM分類およびWHO病理分類に基づいた正確な腫瘍型分類・悪性度分類は,すべての治療の方針決定と予後予測に重要である。
◆耳下腺がん原発巣切除における顔面神経の取り扱いは,麻痺がなければ原則として温存することと,切除した場合は可能な限り即時再建を行うことが推奨される。
◆耳下腺がんの予防的頸部郭清は,高悪性度がんや局所進行がんにおいて検討することが推奨される。
◆術後放射線治療は,病理学的高悪性度がん,切除断端陽性例,局所進行例,頸部リンパ節転移陽性例において検討することが推奨される。
◆再発・転移例に対する薬物療法では,腫瘍型ごとの生物学的特徴,および腫瘍型に応じたアンドロゲン(AR)やHER2の発現,NTRK融合遺伝子,腫瘍遺伝子変異量(TMB),BRAF V600E遺伝子変異,RET融合遺伝子の検査結果を考慮する。

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