Japanese
English
Lecture
体幹筋強化と筋力測定を両立させた体幹トレーニング器具RECORE(リコア)
Innovative Training Device That Strengthens Core Muscles and Measure the Strength
加藤 仁志
1
Satoshi KATO
1
1金沢大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kanazawa University
キーワード:
腹部体幹筋力
,
abdominal trunk muscle
,
慢性腰痛
,
chronic low back pain
,
ロコモティブシンドローム
,
locomotive syndrome
Keyword:
腹部体幹筋力
,
abdominal trunk muscle
,
慢性腰痛
,
chronic low back pain
,
ロコモティブシンドローム
,
locomotive syndrome
pp.1265-1269
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.055704330600111265
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はじめに
腰痛症は患者数が極めて多く,日常生活や社会活動を制限する代表的な愁訴である1).日本は超高齢社会を迎えており,運動器診療の最重要課題であるロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)の原因として,加齢に伴う慢性腰痛や関連疾患が挙げられる2).慢性腰痛に対する運動療法の有効性は高いエビデンスで示され,ガイドラインでも強く推奨されている3).しかし,その根拠となる研究の対象には高齢者がほとんど含まれていない4).つまり,推奨されている慢性腰痛に対する運動の手法は,「高齢者にも同様に有効なのか?」「高齢者でも継続的に実施できる方法なのか?」といった疑問が残る.実臨床や学会の議論でも,同様の問題意識を共有されている先生方も少なくないだろう.
慢性腰痛,ロコモの運動療法においては,対象者の多くが高齢のフレイル患者であることを念頭に入れる必要がある.われわれは後述するように40歳以上の慢性腰痛患者を対象に運動療法の前向き比較対照試験を実施したが,研究への参加を希望して対象となった患者の平均年齢は75歳であった5).つまり,この年齢層が主なターゲットとなる運動療法には以下の条件が求められる;
①骨粗鬆症性椎体骨折(osteoporotic vertebral fracture:OVF)や腰椎多椎間固定術後の患者など,幅広い症例に適応可能であること
②無理なく継続でき,アドヒアランスが高いこと
③痛みの改善に加えて運動機能の向上も得られること
Haydenら6)のシステマティックレビューでは,慢性腰痛に対する運動療法の中で筋力強化が最も機能改善に有効である(つまりロコモの改善効果が高い)ことが報告されている.

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