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English
特集 こころの健康を育む—精神医学から伝えられること
【ライフサイクルに沿った「こころの健康を育む」】
子どものこころの健康を育む
Nurturing children's mental well-being
八木 淳子
1,2
Junko Yagi
1,2
1岩手医科大学医学部神経精神科学講座
2岩手医科大学附属病院児童精神科
1Department of Neuropsychiatry, Iwate Medical University school of Medicine
2Department of Child and Adolescent Psychiatry, Iwate Medical University Hospital
キーワード:
アタッチメント
,
attachment
,
安心基地
,
secure base
,
基本的信頼
,
basic trust
,
内的作業モデル
,
internal working model
,
認識的信頼
,
epistemic trust
Keyword:
アタッチメント
,
attachment
,
安心基地
,
secure base
,
基本的信頼
,
basic trust
,
内的作業モデル
,
internal working model
,
認識的信頼
,
epistemic trust
pp.857-863
発行日 2026年6月15日
Published Date 2026/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680060857
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抄録
子どものこころの健康を「問題を起こさない」「我慢できる」といった大人社会の適応ではなく,たのしんで夢中になれる力,自分を大切に思える感覚,困難から回復し再び歩み出すしなやかさ,他者とつながり頼れる力の醸成として捉えて論じる。
子どもの発達の基盤には,養育者や身近な大人との安定したアタッチメントがあり,子どもが安心して頼ることのできる「安心基地」が探索と学びを支える。応答的な関係の積み重ねは基本的信頼と内的ワーキングモデルを形成し,対人関係や自己肯定感,ストレス耐性に長期的影響を及ぼす。さらに,信頼できる他者から情報を受け取れる認識的信頼は学びの前提となり,大人の表情や態度を参照する子どもの世界認識を左右する。情報化と競争のなかで失敗回避が強まる現代では,失敗を排除するのでなく支えて回復を促すことが重要である。幼児期には十分な遊びと自然体験が主体性・創造性・共生感覚を育て,試行錯誤が承認されることで自己効力感が育つ。子どもを支えるには,養育者自身の孤立を防ぎ,社会全体で安心基地を整える視点が不可欠である。

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