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特集 —これだけは知っておきたい—せん妄診療の現在
【せん妄の基礎知識:何がどこまでわかっている?】
せん妄—ここまでわかった病態生理
Delirium : Current Understanding of Pathophysiology
八田 耕太郎
1
Kotaro Hatta
1
1順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック
1Department of Psychiatry, Juntendo University Nerima Hospital
キーワード:
せん妄
,
delirium
,
加齢
,
aging
,
炎症
,
inflammation
,
酸化ストレス
,
oxidative stress
,
概日リズム
,
circadian rhythm
Keyword:
せん妄
,
delirium
,
加齢
,
aging
,
炎症
,
inflammation
,
酸化ストレス
,
oxidative stress
,
概日リズム
,
circadian rhythm
pp.8-13
発行日 2026年1月15日
Published Date 2026/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680010008
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抄録
高齢人口の増加に伴って臨床上増加しているせん妄の病態機序は,個体の脆弱性と直接因子となる身体疾患や物質・薬剤による生体ストレスとの兼ね合いで理解されてきた。すなわち,脆弱性が高いほど軽微な誘因でも発症しやすい。加齢,慢性虚血,血液脳関門の透過性亢進,メラトニン分泌低下,認知症既往などが準備因子となり,炎症,低酸素,薬物などの急性負荷によりミクログリア活性化,サイトカイン放出,トリプトファン代謝のキヌレニン経路へのシフト,髄液の糖代謝変化などが生じる。酸化ストレス,視床下部—下垂体—副腎軸異常,概日リズム破綻がこれを増幅し,神経伝達物質の異常,ネットワーク調節障害を介して意識・注意障害に至る。最近はオレキシンに関する検討やDNAメチル化などのエピジェネティクス所見が追加され,計測可能な指標と介入標的の同定が進んでいる。

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