増大号 悩みに答える検査血液学—ひとつ屋根の下の検査と診療をめざして。
4章 凝固
クロスミキシング試験を正しく運用・解釈するためのポイント
熊野 穣
1
1国立研究開発法人 産業技術総合研究所 健康医工学研究部門
キーワード:
活性化部分トロンボプラスチン時間
,
APTT
,
クロスミキシング試験
,
ループスアンチコアグラント
,
LA
,
凝固因子インヒビター
,
凝固因子低下
Keyword:
活性化部分トロンボプラスチン時間
,
APTT
,
クロスミキシング試験
,
ループスアンチコアグラント
,
LA
,
凝固因子インヒビター
,
凝固因子低下
pp.1246-1249
発行日 2026年10月15日
Published Date 2026/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700101246
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はじめに
活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)は,プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)とともに凝固機能のスクリーニングとして用いられる検査である.APTTによる凝固機能スクリーニングは凝固因子低下に加えて,抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)の責任抗体の1つであるループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant:LA)および凝固因子に対するインヒビターも対象として含まれる1).いずれもAPTTの凝固時間延長という結果であるものの,凝固因子低下とインヒビターは出血傾向を示し,一方で,LAは血栓傾向を示すため,APTT延長原因の精査は病態鑑別の観点で極めて重要である.それぞれの明確な臨床所見を有する典型的な症例では鑑別が比較的容易な場合もあるが,実際には臨床症状が乏しく判断が困難な症例も多く存在するため,APTT延長の原因精査が求められる2).このAPTT延長原因の精査に用いられる検査がクロスミキシング試験である.

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