増大号 悩みに答える検査血液学—ひとつ屋根の下の検査と診療をめざして。
2章 血球形態
系統由来や病型分類の判断に迷う腫瘍細胞
荒木 美香
1
,
松下 弘道
2
1慶應義塾大学病院臨床検査科
2慶應義塾大学医学部臨床検査医学
キーワード:
細胞形態
,
細胞表面マーカー
,
系統由来
,
病型分類
Keyword:
細胞形態
,
細胞表面マーカー
,
系統由来
,
病型分類
pp.1122-1125
発行日 2026年10月15日
Published Date 2026/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700101122
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はじめに
形態学的検査による細胞観察は病型分類の起点となる重要なステップである.末梢血塗抹標本のスクリーニングで異常細胞が認められる場合には,患者背景を再確認して骨髄検査による精査へと進むことになる.この際,臨床情報や初期検査の結果から病態を推測し,疾患を想定して観察に臨むことが一般的である.
形態学的特徴から病型や染色体異常が容易に推定できる症例がある一方で,形態のみでは細胞系統や想定すべき疾患の判断がつかず,診断手順を進めるのに迷う症例が少なからず存在する.特に,形態所見とそのほかの検査データが矛盾する場合,その解釈は極めて困難となる.
筆者らは,判断に迷う腫瘍細胞の概要を2022年に本誌1)で紹介した.本稿では,その続編として形態所見とそのほかの検査所見に乖離が認められた実症例2例を提示し,乖離をいかに整理して対応したかについて述べる.

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