増大号 超音波検査のパニック所見—いま知りたい、チェックポイントと緊急性
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藤崎 純
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1東邦大学医療センター大橋病院臨床生理機能検査部
pp.307
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048514200700040307
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臨床検査領域における“パニック値”(critical value)は,生命に危険を及ぼす重大な異常を示す指標として,早期治療へつなげるために長年にわたって活用されてきました.一方で,日常診療に不可欠な検査である超音波検査においては,異常値のように数値で明確に規定されるものではないため,“パニック所見”として体系的に整理されることが少なく,これまで各施設や担当者の経験に基づいた判断に委ねられてきたのが実情です.
上記のような背景の下,2023年に日本超音波医学会から公表された『超音波検査の「パニック所見:緊急に対応すべき異常所見」』(総論・各論)は,心エコー,血管エコー,腹部エコーを中心に,超音波検査において速やかな対応を要する所見を初めて包括的に整理した点で,極めて大きな意義を有しています.本ガイドラインでは,検査を中断して直ちに医師へ報告すべき緊急所見,検査終了後,速やかな報告を要する準緊急所見,さらに悪性腫瘍など早期かつ確実な報告が望まれる早期報告所見が明確に分類されました.これは,超音波検査が単なる画像取得にとどまらず,患者さんの予後や医療安全に直結する重要な医療行為であることを示しています.

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