症例
人工羊水注入により妊娠38週まで妊娠継続した羊水過少症を伴う胎児発育不全の1例
菅谷 聡美
1
,
水谷 咲紀
1
,
三田 真理子
1
,
関谷 葵
1
,
三浦 瑠衣子
1
,
イズデプスキ 龍也
1
,
後藤 未奈子
1
,
奥山 亜由美
1
,
瀬尾 晃平
1
,
小谷 美帆子
1
,
大場 智洋
1
,
市塚 清健
1
1昭和大学横浜市北部病院産婦人科
pp.347-351
発行日 2026年4月10日
Published Date 2026/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650800030347
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▶要旨
妊娠第2三半期からの羊水過少は,新生児の生命予後に影響する.羊水腔がほとんど認められない重度の羊水過少を伴う胎児発育不全(fetal growth restriction : FGR)の妊娠管理においては,妊娠早期であればあるほど生育限界により娩出できないため,胎内死亡,死産となってしまうこともしばしば経験する1).戸田ら2)は,臍帯因子が原因と考えられる羊水過少症に対して人工羊水注入を行い治療効果があったことを報告しているが,その数はまだ少なく,エビデンスの構築までには至っておらず,さらなる症例の蓄積が課題となっている.
FGRを伴う羊水過少に対して妊娠25週と妊娠27週に人工羊水注入を行い,胎盤循環不全を改善することで妊娠期間を妊娠38週まで延長し,生児を得た症例を経験した.本症例では,人工羊水注入による胎児発育の支援,正期産まで到達できたこと,臍帯圧迫の解除が考えられたという3つの臨床的成果を示したため,報告する.

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