連載 ビッグデータ,リアルワールドデータの活用・第2回
介護保険領域のビッグデータの可能性—科学的介護情報システム(LIFE)の利活用
三上 直剛
1
,
加賀山 俊平
2
Naotaka Mikami
1
,
Shumpei Kagayama
2
1一般社団法人日本作業療法士協会
2医療法人社団菫会介護老人保健施設野洲すみれ苑
1Japanese Association of Occupational Therapists
2Department of Rehabilitation, Geriatric Health Services Facility Yasu Sumireenn
キーワード:
LIFE
,
LIFEフィードバックデータ
Keyword:
LIFE
,
LIFEフィードバックデータ
pp.1169-1173
発行日 2025年11月10日
Published Date 2025/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530111169
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はじめに
介護サービスでは,科学的手法に基づき,エビデンスを蓄積・活用していくことが重要とされてきた.この目的のために開発されたデータベースが科学的介護情報システム(Long-term care Information system For Evidence:LIFE)であり,2021年4月より運用が開始されている.LIFEは,利用者の状態像やリハビリテーション・ケアの計画を収集・蓄積し,分析結果を現場へフィードバックすることで,介護保険サービスの質の向上に向けた好循環を生み出すことが期待されている.
しかしながら,現状としてLIFEフィードバックデータの利活用については,施設や事業所内でその取り扱いに苦慮しているケースも少なくない.そこで本稿では,リハビリテーションのプロセスにおける介入データの活用例と,介護老人保健施設におけるLIFEフィードバックデータ情報を活用した事例を紹介する.なお,厚生労働省は「ケアの質の向上に向けた科学的介護情報システム(LIFE)の利活用に関する事例集」1)を発行しているため,参考にされたい(図1).

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