書評
吉川 ひろみ 編「作業療法をはじめよう 第2版—COPM・AMPS・ESIスターティングガイド」
仲間 知穂
1
1YUIMAWARU株式会社
pp.327
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530030327
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作業療法における基本的な概念として「クライエント中心の実践」があります.本書は,その実践を支える知識と技術を網羅した一冊です.Canadian Occupational Performance Measure(COPM),Assessment of Motor and Process Skills(AMPS),そしてEvaluation of Social Interaction(ESI)という3つの評価ツールを中心に,作業療法士にとって重要な基礎と実践的な知見が検討されています.
COPMは,クライエントが自分にとって重要な「作業」を探究し,その実行に向けて主体的に関与していくプロセスを支援するツールです.私自身も臨床現場でCOPMを活用し,生活を変えていくことに受け身であったクライエントが,自らの課題に取り組む姿勢に変わる瞬間に立ち会ってきました.クライエントと協働的に「作業ができること(作業の可能化)」の実現に向けアプローチする作業療法において,クライエントの作業を理解することは最も重要なプロセスといえるでしょう.

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