特集 今のうちにしっかり理解 最新の前立腺癌診療と近未来予想図
企画にあたって
今のうちにしっかり理解 最新の前立腺癌診療と近未来予想図
畠山 真吾
1
1弘前大学大学院医学研究科 泌尿器科学
pp.5
発行日 2025年1月20日
Published Date 2025/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930790010005
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前立腺癌は欧米でも本邦でも男性に最も多いmajor cancerです.そのため,前立腺癌診療は日進月歩で変化しています.『前立腺癌診療ガイドライン2023年版』が刊行されましたが,進歩し続ける前立腺癌治療をフォローするには,その知識だけでは十分とは言えません.そこで,若手〜中堅の先生方に向け,未来を見据える最新情報をエキスパートの先生方に解説していただきました.薬物療法は2023年10月号で特集しましたので(「どうする! 前立腺癌—多彩な治療薬をどう上手く使うか」),今回は「薬物療法以外」についての特集です.PSAを超える新規バイオマーカーS2,3PSA%はすでに臨床応用されていますが,まだまだ普及しているとは言い難い現状です.深層学習(AI)を用いたMRI画像診断や病理診断はもうすぐ臨床実装されるでしょうし,監視療法においても新規バイオマーカーやAIは活用されるでしょう.現在進行中の試験結果によりますが,ネオアジュバント内分泌療法を用いた治療戦略も登場してくると思われます.さらに,最新の手術支援ロボットや放射線治療を用いた治療,アップフロント治療時代における局所介入,フレイルを活用した治療戦略,PSMA-PETを用いた診断と治療など,今話題のトピックを盛り込みました.現在〜すぐ先の未来はどんな前立腺癌診療になっているのか,知っておくべき情報をいち早くお届けしたいと思います.本特集が前立腺癌診療に関わっている皆様の刺激となれば幸いです.
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