研究
2024年度診療報酬改定が急性期一般病院の経営に及ぼす影響について—JCHO病院における経営分析
山本 圭子
1
,
今泉 弘
1
,
衣笠 秀一
1
,
井上 貴裕
2
,
山本 修一
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)
2千葉大学医学部附属病院
キーワード:
診療報酬改定
,
ベースアップ
,
光熱水費
,
給食
,
病院
Keyword:
診療報酬改定
,
ベースアップ
,
光熱水費
,
給食
,
病院
pp.474-479
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523770840060474
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■要旨
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)に所属する57病院における収支状況を,新型コロナウイルス流行前の2019年7〜9月,収束後の2023年の同時期,2024年の同時期で比較し,コロナ禍後の病院経営状況と2024年6月の診療報酬改定の影響を検討した.
新入院患者数は2019年の実績を超え,手術件数の回復と相まって,入院医療を必要とする患者は戻りつつあり,経常収益も増加しているが,費用,特に給与費,委託費,水道光熱費,給食関係経費は著増し,2024年度診療報酬改定によりベースアップ評価料は新設されたものの,賃上げ分としては不十分であり,その他の経費の急増分も吸収できていないことが明らかになった.
急速な少子高齢化,人口減少の中で,地域医療構想を具体化するとともに,地域で必要な病院機能が維持できるような計画的な経営支援を早急に行う必要がある.

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