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特集 脳とAI—脳科学と人工知能研究の未来
意識を持つ人工知能—“機能”すれば“意識”は宿るのか?
Artificial intelligence with consciousness:does functioning entail consciousness?
大泉 匡史
1
Oizumi Masafumi
1
1東京大学大学院総合文化研究科
キーワード:
意識
,
人工知能
,
機能主義
Keyword:
意識
,
人工知能
,
機能主義
pp.85-89
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770010085
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「人工知能(AI)は意識を持つか?」こうした問いは,かつてはSF的な世界の議論であった。しかし,近年のAIの目覚ましい発達により,人間と見分けがつかないほど流暢に対話するAIが現実のものとなった。身体を持ったロボットの進歩も目覚ましく,少なくとも“意識を持っているかのように振る舞う”AIやロボットは,既に現実のものとなっている。この現実を前に,AIの意識という問題は,もはや遠い未来のSFではなく,われわれが直面する現実的な問いへと変わりつつある。
しかし,この問題を考えるとき,われわれは1つの重大な落とし穴に注意しなければならない。それは,“人間のような機能(会話,認識,芸術の生成など)を実現すること”と“人間と同じ主観的な意識を持つこと”とはイコールではない,という点である。逆に,「同じ機能さえ実現できれば,そこには人間と同じ意識が自動的に宿る」と考える立場もある。このような考え方を,機能主義(functionalism)と呼ぶ1,2)。

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