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特集 脳とAI—脳科学と人工知能研究の未来
記号創発システムの立場からみた脳と人工知能の将来
The future of the brain and artificial intelligence from the perspective of symbol emergence systems
谷口 忠大
1
Taniguchi Tadahiro
1
1京都大学大学院情報学研究科認知システム講座記号創発システム分野
キーワード:
記号創発システム
,
集合的予測符号化
,
自由エネルギー原理
,
大規模言語モデル
Keyword:
記号創発システム
,
集合的予測符号化
,
自由エネルギー原理
,
大規模言語モデル
pp.60-64
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770010060
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近年の人工知能の成功は,脳に学んだニューラルネットワークの大規模化に支えられている。しかし,一方でその成功の核にある大規模言語モデルをみると,この成功の理由は,“言語”を大規模に学習したということにあるとも言えるだろう。注目すべきはその“言語”とそれが内包する知識体系は,人間が個体の脳ではなく集団の脳によりつくり上げた存在であるということである。本稿では,“脳と人工知能の将来”という視点から,知能の本質は個体脳に閉じたものではなく,身体を持つ個人の集団を記号(言語)的コミュニケーションを介して1つの“脳”へと変化させる記号創発システムにあると論じる1)。個体脳の学習原理として提唱されている自由エネルギー原理(FEP)を,集団へと拡張した集合的予測符号化(CPC)という理論的枠組みを用いて紹介し,それが脳科学とAIの未来を架橋し得る可能性を展望する。

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