Japanese
English
特集 脳とAI—脳科学と人工知能研究の未来
感情的コミュニケーションからみた脳と人工知能の将来
The future of artificial intelligence and the brain from the perspective of emotional communication
日永田 智絵
1
Hieida Chie
1
1奈良先端科学技術大学院大学数理情報学研究室
キーワード:
感情
,
感情発達ロボティクス
,
内受容感覚
,
外受容感覚
,
人工知能
,
AI
Keyword:
感情
,
感情発達ロボティクス
,
内受容感覚
,
外受容感覚
,
人工知能
,
AI
pp.56-59
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770010056
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感情とは何か。この問いは様々な場所で問われ,探求されてきた。一般的には人になくてはならないものとして考えられ,人工物には備わっていないものとして扱われている。こうした感情のメカニズムはいまだわかっていないものの,近年では多くのことが明らかになってきた。例えば,内臓の感覚である内受容感覚が感情においてコア的な役割を果たしているということ1)や,島皮質が感情の表象を担っているということである2)。もちろん,これらは現時点での説であるが,こうした積み重ねにより,徐々に感情は解明されようとしている。
そうした科学的進歩のなかで,工学分野では大規模言語モデルをはじめとした技術により,人と自然に対話するchatbotやエージェントが開発されるようになってきた。こうした技術では,あたかも感情的な表現を人工物が行うことも少なくない。しかしながら,筆者が知る限り,いまだに人工物は感情を持たないものとして扱われているように思う。だとすると現状何が足りていないのだろうか。どのような状態であれば,人工物が感情を持ったと言えるのか。それとも,人工物が感情を持つことはあり得ないことなのだろうか。本稿では,これらの疑問に対して,幾つかの研究を紹介しながら考察する。

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