臨床検査のピットフォール
凝固検査の外部委託におけるピットフォール
桝谷 亮太
1
1大阪医科薬科大学病院中央検査部
pp.440-443
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110540040440
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はじめに
プロトロンビン時間(prothrombin time:PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)をはじめとする凝固検査は,出血性疾患や血栓性疾患のスクリーニングとして広く用いられているが,採血や検体の処理・保存,性状(溶血や乳びなど)確認などの検査前の検体取り扱い手順が検査結果に大きく影響することが知られている1,2).そのため,自施設内で測定する検体取り扱い手順の統一を目的に,2016年に日本検査血液学会の凝固検査用サンプル取扱い標準化ワーキンググループ(以下,WG)から,詳細な検証実験を基にした「凝固検査検体取扱いに関するコンセンサス」3)(以下,コンセンサス)が発表され,啓蒙されている.
しかし,筆者らの調査によれば,自施設内での検体取り扱いと比較して,外部委託検査用検体の取り扱いにはさまざまな差異がみられ,必ずしもコンセンサスにのっとった処理がされていないことが明らかとなった4).スクリーニング検査と特殊検査の両方が自施設内で実施されることもあるが,一般的にはスクリーニング検査は院内で,特殊検査は外部委託で行われることが多い.特に,クリニックや開業医などの小規模施設を含むわが国の医療機関の大部分は,一部の凝固検査を外部委託しているのが現状である5).わが国全体における凝固検査精度の向上のためには,外部委託検査の検体取り扱い手順の統一が急務である.
本稿では,凝固検査を外部委託する際に留意すべきピットフォールについて紹介する.

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