臨床検査のピットフォール
まれな菌に対する薬剤感受性検査のピットフォール—NVS,HACEKを中心に
大野 達也
1
1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院臨床検査部
pp.1286-1288
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530121286
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はじめに
感染症治療において,原因微生物の同定と薬剤感受性検査は,適切な治療法を選択するために重要である.しかし,まれに,通常の培養方法では検出が難しい菌や,薬剤感受性検査に特殊な条件が必要な菌種が存在する.
本稿では,感染性心内膜炎(infective endocarditis:IE)などの原因となる,Granulicatella属,Abiotrophia属などの栄養要求性レンサ球菌(nutritionally variant streptococci:NVS)と,Haemophilus属,Aggregatibacter属,Cardiobacterium属,Eikenella属,Kingella属(HACEK)に焦点を当て,その特徴や薬剤感受性検査のピットフォールについて,米国臨床・検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute:CLSI)に記載されている方法1,2)を中心に解説する.

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