連載 やなさん。NY留学記・20
“プログラマーやなさん”も目指したい!
柳田 絵美衣
1
1Memorial Sloan Kettering Cancer Center
pp.1041
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.030126110530091041
- 有料閲覧
- 文献概要
こんにちは.最近まで「パイソン(Python)?アナコンダ(Anaconda)?」と言っていた,プログラミングど素人だが,今はラボで一番プログラミングに接している柳田です(←この状況,本人が一番驚いている).
今やっている研究の1つで“プログラミングで病理画像の染色を変える”ことをしている.例えば……通常の病理診断ではHE染色標本を作製し,必要に応じて新たに薄切をして追加で特殊染色や免疫染色標本を作製するのだが,この研究では“HE染色画像を画面上で特殊染色に変換する”のだ.変換したいHE染色標本をスキャナーでスキャンし,その画像を入力するだけで望みの特殊染色に変換されるの! 現存する解析ソフトの中には,画面上で染色を変換する機能を有するものもあるのだが,柳田がやっているこの技術は染色画像の見本(教科書に載っている画像でも可)があれば,何の染色でもどんな色にでも変換できるのだ(特殊染色の種類や症例によっては変換が難しいこともあるのだが).さらに,変換する元画像はHE染色以外でも実行できる.「色を変えるだけ」なのだが,それを実行するには画像や色の性質,プログラミングなどの知識が必要になり,柳田はこれまでの人生で一番真剣に“ランベルト・ベールの法則”(学生時代に聞いた覚えがあるような……)と向き合っている(笑).見本画像と元画像の色の構成成分を算出し,元画像を補正する仕組みだ.しかし,この変換だけで満足しないのが柳田.この変換した画像を使ってさらに……むふふ.使い方によっては,病理診断に非常に有用な技術になると確信している!
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.