連載 帰ってきた やなさん。・29
やなさん。入学試験を受ける!
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学病院臨床検査科ゲノム検査室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.563
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208692
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「以前,社会人大学院の修士課程を1年留年し,学生課に「やる気,あるんですかねぇ?」と強烈な塩対応をされ,研究室に行くと「え? 誰? こんな院生いたの?」と驚かれたのち,無事に卒業した旨を報告した.この度,無謀にも博士課程を受験したので,これを報告する.
新型コロナ感染症流行に伴い入試はオンライン.「オンラインなの? 筆記試験がないなら楽だろ」と思ったそこのアナタ! NO!! 筆記試験が大の苦手な柳田も最初はそう思った.だが入試要項を見ると“口述試験:英語,専門科目30分程度”とあった.読者の皆さんなら「余裕でしょ」とお思いだろう.しかし! 柳田の壊滅的な英語力で乗り切れるわけがない.過去にイギリスの病院に単独修行で行った際,英語がわからず,地下鉄で誘拐されそうになった.バングラデシュでは現地の病理医ボスに「エミイ! もっと英語の勉強をしてくれ.意思の疎通ができない(←英語で)」と怒られ,現地の女性陣が「エミイは,このままでいいのよ!(←英語で)」と逆にボスに怒り…….とにかく,どこの国でも播州弁で話す柳田にとって,英語は鬼門なのだ.「試験時間が30分なら自己紹介を長めにすれば,時間を稼げる!」と安直な思考の柳田.長々と自己紹介文原稿を書き,英訳に勤しみ,何時間も練習して頭と口に覚え込ませた.必死に.そして試験当日…….
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