特集 プライマリ・ケアにおける患者安全・質改善の地平線
第1章 診断エクセレンス—「誤診」のスティグマを超えて
診断プロセスへの患者参加:「speak up」を促す環境づくり
井上 恵子
1
1医療過誤 原告の会
キーワード:
見えない領域
,
speak up
,
弱さの共有
,
正確な情報へのアクセス権
,
患者・市民参画
,
PPI
Keyword:
見えない領域
,
speak up
,
弱さの共有
,
正確な情報へのアクセス権
,
患者・市民参画
,
PPI
pp.1504-1507
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630101504
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Point
◎細分化された医療現場では「誰も全体像が見えていない」リスクがあり,多職種連携のつなぎ目に潜む不確実性を埋めるためには患者の視点が必要である.
◎世界保健機関(WHO)の患者安全権利憲章では,患者が疑問を呈し情報にアクセスすることは基本的人権だと再定義している.善意という不確かなものに命を委ねるのではなく,安全装置としての権利を確立する必要がある.
◎医療者が自らの不完全さ(弱さ)を開示することは,無責任ではなく患者への「信頼の証」となる.互いの限界を認め合う関係性こそが,患者の声を攻撃ではなく「安全の羅針盤」へと変えていく.
◎客観的事実の透明性を追求し,医療者が事実を隠さず提示する「誠実な情報開示」の土壌こそが,声を上げられない弱者をも孤立から救い,患者が自ら道を切り拓く強さを支える.
◎臨床現場でのspeak upを,研究への患者参画(PPI)という回路を通じて地域医療へ還元し,1つの診察室で始まった対話が,巡り巡って医療全体の質を塗り替えていく姿が望ましい.

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