増刊号 内科臨床医の五感が磨かれる動画・音声付臨床問題集
特集にあたって
松山 泰
1
1自治医科大学医学教育センター
pp.5
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630040005
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ICTの飛躍的な進展により,医師は診療の現場において膨大な医学情報へ瞬時にアクセスできるようになりました.ChatGPTをはじめとする対話型生成AIは,言語化された症候や身体所見を入力するだけで,鑑別診断や治療戦略の候補を即座に提示します.医学知識を「思い出す」ことは,もはや医師だけの特権ではありません.こうした時代において,臨床医に求められる本質的な価値はどこにあるのでしょうか.
その答えは,患者を五感で診る力にあります.四肢の動き,呼吸音,皮膚に触れた際の感触,かすかな口臭,そして診察室に漂う空気感——.これら感覚を通じて得られた情報を統合し,意味づけ,言語化できる医師の存在価値は,AI時代においてむしろ高まっています.五感を研ぎ澄まし患者と向き合う姿勢こそが,診断の質を高め,揺るぎない信頼関係を築く礎となります.

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