特集 血液ガスを武器にする!—呼吸・代謝トラブル実践塾
特集にあたって
柴﨑 俊一
1
1ひたちなか総合病院総合内科
pp.370-371
発行日 2026年3月10日
Published Date 2026/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630030370
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ぐったりした患者,速い呼吸,低い血圧.こんな場面で役立つのが血液ガスだ.呼吸と代謝の“今”を短時間で可視化し,救急外来だけでなく,診療所から病棟まで広く使える.それでも血液ガスの解釈が苦手に感じられるのは,難解な計算や独特の用語,鑑別の多さからだろう.加えて,筆者は「それで,血液ガスの結果から,どうアクションにつなげたらよいの?」と若手医師から質問をもらうことが多い.本特集は現場に実装するという視点で,誰でも再現できる読み方の型を提供する.
血液ガスの価値は,呼吸と酸塩基,そしてヘモグロビン異常を短時間で把握でき,「大まかな病態を瞬時に把握できる」「隠れた病態を疑うヒントをくれる」ところにあると筆者は考える.この「瞬時に把握」を活かすことが現場実装のコツだ.緊急場面では紙と鉛筆を要しない暗算で,まず大枠を1分以内に掴む.紙と鉛筆で,細かく計算し,大幅な時間をかけるという手法は,血液ガスの現場での価値を半減させてしまいかねないと筆者は考える.実際,本特集では取り扱わないが,血液ガスのより精緻な解釈が可能なStewart法は,酸塩基生理学への新たな洞察を与えた方法ではあるが,重症患者における酸塩基平衡の変化の理解・診断・治療能力を大幅に向上させていないという批判がある1).

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