特集 アレルギー診療 そのときどうする?
特集にあたって
正木 克宜
1,2,3
1慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)
2慶應義塾大学病院アレルギーセンター
3免疫アレルギー疾患研究10か年戦略次世代タスクフォース(ENGAGE-TF)
pp.194-195
発行日 2026年2月10日
Published Date 2026/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630020194
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本邦におけるアレルギー専門医制度は内科・小児科・皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科の基本領域のサブスペシャルティ領域として位置づけられており,2026年2月現在,全国で4,700人がその資格を有している.その数は徐々に増えてきてはいるものの,各診療科の専門医(内科は認定医も含む)のなかでアレルギー専門医も有している者の割合をみると,内科2.4%,小児科10.0%,皮膚科6.8%,耳鼻咽喉科5.0%,眼科0.2%にとどまっている.そのため,アレルギー専門医は「身近に必ずいる存在」ではなく,多くの地域で内科医,プライマリ・ケア医がアレルギー診療の第一線を担っているのが現実である.しかしながら,アレルギー疾患の症状は多臓器に及び,その年齢層は乳幼児から高齢者まで幅広いため,診療の現場では,「これはアレルギー疾患なのか?」「まず何をすべきか?」「どこまで自分で診るべきか?」といった判断を迫られる場面が繰り返し訪れる.
また,近年はアレルギー診療を取り巻く状況も変化している.2型炎症やバイオマーカー,生物学的製剤,アレルゲン免疫療法など,基礎研究の成果が急速に臨床応用され,その内容はいっそう高度化・複雑化している.そのため,アレルギー専門医においても基本領域の違いにより得意とする守備範囲が異なるという特性がある.このような変化のなかで,アレルギー診療における「そのときどうする?」という問いは,単なる知識の有無ではなく,情報をどう整理し,どのように専門医と役割を分担するかという判断の問題へと変わりつつある.

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