特集 呼吸器問題集—呼吸器疾患の糸口とミニマムエッセンスを知る
気管支喘息
Question 28 62歳女性.主訴「頻回の喘息発作」
片岡 浩
1
1市立札幌病院リウマチ・免疫内科
pp.1201-1202
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620081201
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現病歴 50歳時発症の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)で,初発症状は肺浸潤影,多発単神経炎であった.グルココルチコイド(GC)大量療法で寛解導入し,しばらくはGC単剤による長期寛解維持が達成されていたが,上気道感染に伴う間欠的な喘息悪化と鼻炎症状がみられるようになっていた.吸入ステロイド薬(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)配合剤+抗ヒスタミン薬+GC点鼻薬の併用を行うようになった.その後の経過中も間欠的な喘息発作がみられ,末梢血好酸球数は400/μL前後で経過し,プレドニゾロン(PSL)10mg/日より減量困難となっていた.股関節スクリーニングMRI検査では,大腿骨頭壊死所見がみられているが,進行なく経過観察となっていた.
検査所見 肺野に明らかな浸潤影なし,1秒率83.1%,呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)22ppb,末梢血好酸球数5%(400/μL).
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