特集 呼吸器問題集—呼吸器疾患の糸口とミニマムエッセンスを知る
気管支喘息
Question 27 78歳女性.主訴「頻回の喘息発作」
片岡 浩
1
1市立札幌病院リウマチ・免疫内科
pp.1199-1200
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620081199
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
現病歴 10数年前に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)と診断され,それ以降近医で治療を受けていたが,喘息発作が頻回となり,下肢皮膚に灼熱感を伴い一部水疱を呈する皮疹が出現したため,当院を紹介受診した.病理所見は真皮上層の好酸球を含む強い炎症細胞浸潤が認められる白血球破砕性血管炎であった.1秒率低下,呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)高値,末梢血好酸球数増多よりEGPAの再燃と診断した.メチルプレドニゾロンパルス療法を1コース施行し,後療法としてプレドニゾロン(PSL)40mg/日から漸減するグルココルチコイド(GC)大量療法に吸入ステロイド薬(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)配合剤とアザチオプリン50mg/日を併用し,一時寛解が得られたがPSL 6mg/日まで減量したところ,短時間作用性β2刺激薬(SABA)の頻回使用を要する呼吸苦を呈し,入院となった.心不全の合併はなくチオトロピウムを併用したが,呼吸苦は改善しなかった.
検査所見 末梢血好酸球数9.3%(530/μL),1秒率43.8%.胸部X線写真では心拡大なし.CT上は気管支壁軽度肥厚と粘液栓所見がみられるが,以前と比較し変化なし.
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.