特集 抗菌薬の選び方・変え方・やめ方
経過中に抗菌薬をどう変えるか
感受性結果に使いたい抗菌薬がない場合—薬剤感受性試験の見方と考え方
的野 多加志
1
1佐賀大学医学部附属病院感染制御部
キーワード:
薬剤感受性試験
,
最小発育阻止濃度
,
selecting report
,
米国臨床検査標準協会
,
CLSI
Keyword:
薬剤感受性試験
,
最小発育阻止濃度
,
selecting report
,
米国臨床検査標準協会
,
CLSI
pp.857-860
発行日 2025年5月10日
Published Date 2025/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620060857
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Point
◎薬剤感受性試験の判定結果通りの薬効を得るためには,抗菌薬の投与量・間隔も判定元である米国の推奨量に準じるべきである.
◎標的治療を行う際には,最小発育阻止濃度(MIC)を縦読みしMICが低い薬剤を選択するのではなく,同定された原因微生物に対して活性のある最も狭いβ-ラクタム系薬を選択すべきである.
◎β-ラクタム系薬の組織移行性は高くなく,積極的なドレナージという観点も感染症治療として忘れてはならない.
◎長期治療が見込まれる場合は,菌株が破棄される前に今後の内服選択肢となりうる抗菌薬感受性試験の追加を微生物検査室に依頼すべきである.

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