増刊号 総合力で対応するEmergency/Intensive Care Medicine
第4章 内科医が一般病棟・ERで出合いうる疾患
27 脳炎
杉田 陽一郎
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター神経内科
キーワード:
NORSE
,
new onset refractory status epilepticus
,
精神症状
,
無菌性髄膜炎
,
単純ヘルペス脳炎
,
抗NMDA受容体脳炎
Keyword:
NORSE
,
new onset refractory status epilepticus
,
精神症状
,
無菌性髄膜炎
,
単純ヘルペス脳炎
,
抗NMDA受容体脳炎
pp.189-194
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620040189
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POINT
●脳炎を疑うべき具体的な状況としては,①新規発症の難治性てんかん重積,②新規発症の精神症状,③無菌性髄膜炎としてフォロー中の精神症状,高次脳機能障害,不随意運動,発作(seizure),意識障害の3点が挙げられる.
●新規発症の難治性てんかん重積では,ただ漫然と鎮静薬や抗てんかん発作薬を投与するのではなく,原因として自己免疫性脳炎の可能性を考慮し積極的な原因検索を行い,免疫治療の早期導入を検討すべきである.
●新規発症の精神症状では,随伴症状(発熱,不随意運動,高次脳機能障害,意識障害など)の有無に着目し自己免疫性脳炎らしさを検討する.
●無菌性髄膜炎≠ウイルス性髄膜炎であり,精神症状や軽微な不随意運動,高次脳機能障害(失語や記憶障害など)が出現してこないか(=脳炎の可能性)を丹念にフォローアップすべきである.
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