特集 DNP(Doctor of Nursing Practice)が未来を切り拓く—「研究」と「実践」をつなぐ高度実践看護師の新たなチャレンジ
聖路加国際大学大学院DNP課程開設の経緯と未来への期待
萱間 真美
1
1国立健康危機管理研究機構 国立看護大学
pp.248-251
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580030248
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はじめに
聖路加国際大学大学院のDNP課程は,専門看護師教育に長い歴史を持ち,多くの修了生が現場で活躍する同校の文脈の中で生まれた。専門看護師は,修士課程では多くの場合,履修すべき実習の単位数が多いことから,「課題研究」等の研究活動に取り組む。課題研究は先行する領域の実習の重みによって,また学生の資質によって,テーマや方法論に個別性がある。そのため,博士課程に進学する際,研究に苦手意識を持つ学生もいた。そのために進学する時期を逸してしまうと,上級実践を教授できる教員が養成できなくなることに課題があった。また,看護管理や看護教育の領域で修士号を得た修了生の中には,CNE(Clinical Nurse Educator)や認定看護管理者資格を得て活躍している者もおり,同様に博士課程への進学をどう支えるかという課題があった。
同校では,博士課程の入学定員を20名に増員する計画の一環としてDNPコースを設定し,修了後の活躍の場としては,大学院上級実践コースの教授へのPromotionを目指す,病院でQI活動にあたる,専門看護師として臨床を変えるための活動ができる等を想定し,教育課程について検討した。設立当時の研究科長であった立場から,このコースが設置された経緯について述べたい。

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