連載 Clinical Exercise・217
Q考えられる疾患は何か?
水川 良子
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
pp.713-714
発行日 2025年9月1日
Published Date 2025/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790100713
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■症 例■
患 者:59歳,男性
主 訴:右第1趾,左第2趾の紫紅色調変化と疼痛
既往歴:高血圧,脂質異常症
現病歴:初診2か月前から左第2趾が暗紫色調になり疼痛が出現した.1か月後には右第1趾も同様になり潰瘍を伴うようになった.前医でblue toe症候群が疑われ皮膚生検を施行されたが確定診断に至らず,アルプロスタジル10 μg点滴にても疼痛が改善しないため当科を紹介された.
現 症:右第1,4趾,左第2趾はチアノーゼ様の紫紅色調を呈し,右第1趾,左第2趾に小豆大の潰瘍を伴っていた(図1a,b).リベドはなく,足背動脈も触知された.
臨床検査所見:WBC 9.3×103/μl(基準値:3.3〜8.6),RBC 569×104/μl(435〜555),PLT 55.6×104/μl(15.8〜34.8),PT 99.0%,PT-INR 1.01,APTT 44.7秒(27〜40),CRP 0.14 mg/dl,HbA1c 5.8%,TCho 180 mg/dl,Dダイマー0.5 μg/ml以下.
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