マイオピニオン
坂の上の雲を追いかけて
梅垣 知子
1
Noriko UMEGAKI
1
1東京女子医科大学附属足立医療センター皮膚科
pp.630-631
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790090630
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「のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば,それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう」
司馬遼太郎著『坂の上の雲』の単行本第一巻「あとがき1」に,この言葉がある.『坂の上の雲』は明治維新後,開国したばかりの日本が世界を相手に右往左往,悪戦苦闘を繰り返し,大国ロシア帝国を相手に日露戦争を戦い抜き終戦に至るまでの様子を描いた力強い作品である.そしてその「あとがき」には,本編からほろほろとこぼれ,あふれだした作者の心が真摯で繊細な言葉とともに綴られている.
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