Derm.2025
皮膚の中では何が起こっているのか
中溝 聡
1,2
1京都大学大学院医学研究科先端医療基盤共同研究講座
2京都大学大学院医学研究科皮膚科
pp.176
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050176
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,生物学的製剤や分子標的薬が臨床の現場に登場し,皮膚科医としては驚くような効果を目の当たりにする機会が増えてきました.特に印象深いのは,治療が難しいとされてきた結節性痒疹の患者さんです.あれほど「かゆい,かゆい」と苦しんでいた方が,生物学的製剤を使った途端,まるで魔法にかかったかのようにかゆみがピタリと止まり,皮疹もどんどん良くなっていくのです.
しかし,ここでふと疑問が湧いてきます.そもそも,なぜ結節性痒疹はあんな風にポツンポツンと孤立してできるのでしょう? なぜ局面を作らず,1つ1つが独立して存在するのでしょう? 痒疹の部分とその周囲の皮膚では,一体何が違うのでしょう? また,アトピー性皮膚炎と同じ薬が効いているにもかかわらず,どうしてこんなにも見た目が違うのでしょう?
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.