Heart View 25巻10号 (2021年10月)

特集 心不全療養指導士誕生−よりよい心不全診療のために−

企画にあたって 筒井 裕之

  • 文献概要を表示

近年の高齢化社会を迎え,わが国の心不全患者は増加の一途を辿っている。特に高齢心不全患者が増えており,医療上の重要な問題となっている。わが国のガイドラインに沿って,心不全の病態,重症度分類,心不全治療について,ポイントをまとめて概説する。

診る2

  • 文献概要を表示

心不全療養指導士には,病院・地域・在宅で正確かつ迅速に心不全の状態を把握し,チームに共有することが求められる。診断技術の著しい発展の現在においても,身体所見による速やかな病状把握の重要性は変わらない。

診る3

  • 文献概要を表示

心不全の検査の目的は,大きく分けて4つある。①心不全の診断,②心不全の重症度判定,③心不全の予後評価,④心不全の併存症の評価,である。検査の意味を知るうえでも,何のために検査をしているか考える習慣をつけることが重要である。

  • 文献概要を表示

「心不全療養指導士」は,質の高い療養指導を通じて,病院から在宅,地域医療まで幅広く心不全患者をサポートする医療専門職を育成するための日本循環器学会の認定資格であり,2021年4月よりスタートした。

  • 文献概要を表示

心不全療養指導士は背景とする専門資格によらず,セルフケア,アドヒアランス,セルフエフィカシー,ヘルスリテラシーなどを考慮しながら患者教育を行う必要がある。これらに準拠して療養指導を行うことで,指導の質の担保と同時に,複数の指導の比較や効果の検討が可能になる。本稿では,関連する主要な理論や概念を概説する。

識る6

  • 文献概要を表示

高齢心不全患者が急増するなかで,個々の生活を軸とした疾病管理を行っていく必要がある。心不全療養指導士が在宅医療において,どのような活躍が求められるのかを提示する。

識る7

  • 文献概要を表示

2021年度から,日本循環器学会による「心不全療養指導士」認定制度が開始され,初年度に1,771名が合格した。本稿では,心不全の地域連携において心不全療養指導士に期待される役割について述べたい。

  • 文献概要を表示

心不全は,緩解と増悪を繰り返す進行性の病態であり,最適な心不全診療と療養生活の継続が重要となる。セルフモニタリングと定期受診,増悪時の早期対処により,心不全をコントロールし,生活の質(QOL)の維持・向上に向けて,療養指導を実施していく必要がある。

治す9

  • 文献概要を表示

心不全における薬物治療は確立されてきたが,心不全の再入院率は低下しておらず,服薬の不徹底は再入院の要因の1つである。どんなにいい薬を処方しても患者が服用しなければ効果は得られず,アドヒアランス向上が必要不可欠である。

治す10

心不全患者における栄養管理 宮島 功
  • 文献概要を表示

患者の高齢化とともに,患者の介護依存度および医療依存度が増加している。心不全の栄養管理もまた個別多様性が重要であり,心不全の病態や患者の状態に応じた栄養管理が重要となる。

  • 文献概要を表示

心不全患者に対する身体活動の促進や運動療法は,有用な治療戦略の1つである。しかし,個々の心不全患者において適正な身体活動や運動療法は異なる。心不全の疾病管理の1つとして身体活動や運動療法をとらえ,適正な身体活動,運動療法が実践できるように支援することが重要となる。

治す12

禁煙支援の方法 仲村 直子
  • 文献概要を表示

「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」では,疾病管理プログラムの1つとして,禁煙支援を挙げている。喫煙はあらゆる心疾患の危険因子であり,心不全患者では禁煙により死亡率や再入院率が低減することが示され,禁煙の重要性はいうまでもない。本稿では,禁煙支援の具体的な方法についてまとめる。

  • 文献概要を表示

心不全の急性増悪を回避するためには,生活習慣を改善し,心負荷が増大しないような日常生活を心がけることが重要である。また,心不全患者は抑うつなどの精神的問題を抱えることが多いため,心理的支援が不可欠である。

  • 文献概要を表示

患者の高齢化に伴い,認知機能に問題のある心不全患者の増加が予想される。家庭内で観察者の不在するケースも多く,生活面の観察におけるちょっとした気付きから専門家と連携して療養体制の支援につなげたい。

治す15

  • 文献概要を表示

心不全診療にかかわる医療従事者が臨床実践のなかで緩和ケアを提供する「基本的緩和ケア」を心不全疾病管理モデルに統合することが,治療と共存した緩和ケアの実現のために重要である。心不全療養指導士は,その基本的緩和ケアの担い手として期待される。

  • 文献概要を表示

2021年,心不全療養指導士が誕生した。この資格は,さまざまな職種から構成され,病院だけでなく在宅医療,介護との連携など心不全診療のあらゆる場面でその活躍が期待される。本稿では,心不全チーム医療における心不全療養指導士への期待について概説する。

連載 心臓の解剖【知っておきたい知識 −疾患の病態生理から治療へつなげる解剖学−】

第7回

  • 文献概要を表示

●右室流出路(RVOT)-肺動脈幹(PT)接合部構造を理解するためには,3つのリング状境界線(STJ,VAJ,BR)の内容を正確に認識することが必要である。 

●RVOT心筋とPT組織の境界線がリング状VAJである。

●王冠状肺動脈弁輪(PVA)の3つの頂点でSTJが,最下点でBRが形成される。

●王冠状PVAと3つのリング状境界線の位置関係より,機能的にPVA領域でありながら心筋を認める部位が存在したり,RVOT領域でありながら心筋を認めない部位が存在する。

●RVOT-PT接合部のVAJ直下は左室流出路(LVOT)-大動脈(Ao)接合部のそれと異なり,自由壁(FW)である。

------------

目次

次号予告/バックナンバー

奥付

基本情報

13426591_25_10.jpg
Heart View
25巻10号 (2021年10月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1342-6591 メジカルビュー社

文献閲覧数ランキング(
9月20日~9月26日
)