Heart View 24巻6号 (2020年6月)

特集 心不全の心臓リハビリテーション −進行を抑えQOL・症状を改善する治療法−

企画にあたって 安達 仁

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入院外来問わず,運動療法を行うにあたって,心不全患者が悪化していないかを判断することはリハビリ開始前のチェックとしてとても重要である。まず症状の問診を行い増悪の有無を評価し,次にうっ血所見と低灌流所見に分けて診察所見をチェックする。

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BNP やトロポニンT などのバイオマーカーは日常診療で頻用されている。しかし,心不全の病態を把握し良好なコントロールを維持するためにはcardio-renal anemia(CRA)syndrome の評価と介入,うっ血肝や栄養状態の把握が必須である。その代表的な項目について述べる。

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心疾患に対する運動療法の有効性が広く知られ,積極的に行われるようになったが,運動療法には心不全の増悪を誘発する危険性がある。本稿では,運動中のリスク層別化に有用と考えられる心エコー指標について概説する。

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心臓はポンプ機能の臓器であるため,動かすことによってより詳細な評価をすることができる。患者は,買い物に行くにしろ,仕事に行く場合にしても動いて生活している。そのため,心不全患者に心肺運動負荷試験(cardiopulmonary exercise test :CPX)を行う意義は大きい。

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うっ血性心不全患者では,就寝時だけでなく覚醒時にも,浅く速い不規則な呼吸やチェーン・ストークス呼吸がみられる。心不全患者における呼吸不安定性の測定法や,心不全治療が呼吸不安定性に与える影響について解説する。

識る6

運動中の血行動態 沖田 孝一
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慢性心不全では,心機能低下のため循環予備能が低下しており,一方,体血圧を維持する機能が亢進している。交感神経系,カテコールアミンの増加,また副交感神経活性の低下,さらに筋求心性神経への反応が過剰になっており,呼吸が促進しやすい。

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心不全患者の平均年齢は80歳を超え,独居,低収入など社会背景に問題がある患者も増えている。また,フレイル状態の患者も増加している。このような心不全患者では単に医師が医学的介入を行うだけでは入院回避や生活の質(quality of life:QOL),日常生活動作(activities of daily living :ADL)の維持が困難なことが多く,看護師,薬剤師,リハビリ指導士,栄養士,医療ソーシャルワーカーなどの多職種が多面的に介入する必要がある。その結果,生活態度が改善,セルフモニタリングが可能となり薬剤コンプライアンスが上昇し,運動能力が維持され,その相乗効果が予後改善やQOL,ADL 改善などに結び付くと考えられている。

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心不全は心機能の低下により息切れなどの症状と運動耐容能が低下する症候群である。心筋梗塞などの器質的心疾患(ステージB)とその危険因子(ステージA)の管理が心不全の予防に重要である。ステージA,B の心不全の発症予防における身体活動および体力の意義を述べる。

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ステージC の心不全では,進行を遅らせ,運動耐容能を高め,再入院を予防するために,十分な薬物療法とともに,運動療法の導入と多職種による疾病管理プログラム構築,すなわち包括的心臓リハビリテーション治療が必要である。

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わが国の心不全患者は2055年までは本年の患者数から減少しないことが予測されている。本稿では,心不全の最も重症なステージD にある患者に対する心臓リハビリテーションの目的と,国立循環器病研究センターでの取り組みについて報告する。

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フレイルを伴う傘寿者(80歳以上の超高齢者)のための心不全リハビリの適応・実際・成果・意義について概説する。独歩リハビリは,地域包括ケア社会における心不全傘寿者の地域連携を図る有力な方策である。

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近年,心不全の進展・予防の観点から心不全のステージをA 〜D の4段階の病態別に分類することが提唱されている。本稿では各心不全ステージに応じた栄養療法について概説する。

連載 英語による 自信がもてる学会発表の技術 プレゼンの方法からパワポの作り方まで

第8回 Chapter 2 スライド・ポスターを作成しよう 5

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今回は学会でのポスター発表で「パッと見てわかる」ポスター作成のポイントについてです。ポスターの場合,口演発表よりも詳細な情報を盛り込むことができますが,入れすぎると字が小さくなりますし,情報が多すぎて「なんだかよくわからない」だけになってしまいます。ポスター発表の目的はズバリその発表が「他の研究者と交流するきっかけ」となるようにすることです。必要な情報が少し離れたところからでもキャッチできて,互いにディスカッションしやすくすることが大切です。ポスターは学術論文よりは,スライドプレゼン寄りの発表方法,といえます。

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基本情報

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Heart View
24巻6号 (2020年6月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1342-6591 メジカルビュー社

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