Heart View 24巻11号 (2020年11月)

特集 アミロイドーシス

企画にあたって 佐野 元昭

診る1 心アミロイドーシスを疑う所見

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心アミロイドーシス診断で重要なことは「心アミロイドーシスではないか」と疑うことである。そのためにはまず典型的なアミロイドーシスの病歴と徴候を理解し,診断に直結する画像検査が必要と判断できるかが重要である。

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心アミロイドーシスの診断は,まず心電図,心エコーの所見がきっかけとなる。心臓MRI によるガドリニウム遅延造影,CT による遅延造影が認められる。99mTc ピロリン酸(99mTc-PYP)シンチグラフィは,心アミロイドーシスには保険適用が認められていないが,陽性であればほぼ100% 診断される。

c.生検,免疫染色,質量分析 猪又 孝元
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アミロイドーシスとは病理診断名である。従って,心アミロイドーシスとの診断は,心筋生検における心筋組織中のアミロイド沈着を検出することで確定され,そのアミロイド型に基づき治療法が選択される。

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99mTc-PYP シンチグラフィにより,以前は老人性全身性アミロイドーシスの診断名であった全身性野生型トランスサイレチン(ATTR wild type:ATTRwt)アミロイドーシスの患者数は,従来想定されていたより頻度が高いことが明らかになってきた1)。本稿では,心アミロイドーシス診療における99mTc-PYP シンチグラフィの位置づけについて概説する。

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アミロイドーシスとは,異常な線維性蛋白であるアミロイドが全身の臓器または組織に沈着し,機能障害をきたす疾患の総称である。われわれ循環器科医がかかわる心アミロイドーシスは全身性アミロイドーシスの一病変であるが,決して希少疾患ではないことが明らかとなり,診断・治療法も著しく進歩し,その認識は大きく変化している。従って,アミロイドーシスの概念・病態・分類などの基礎知識についても熟知しておく必要がある。

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従来,アミロイドーシスは診断が難しく,きわめて予後不良な疾患と考えられていた。ATTR アミロイドーシスに対する治療選択肢としてタファミジスが登場し,AL アミロイドーシスに対する化学療法も日々進歩している。このような背景から,アミロイドーシスを正確に診断することが求められる時代となっている。本稿がAL アミロイドーシスの病態の理解や診断の一助となれば幸いである。

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野生型トランスサイレチン(ATTR wild-type:ATTRwt)アミロイドーシスは加齢に伴い発症頻度が増加するが,実臨床において本症と適切に診断されていない症例が多く存在していると考えられる。原因治療薬が使用可能となった現在では,早期の的確な診断がさらに重要となっている。

識る6

ATTRv アミロイドーシス 植田 光晴
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遺伝性トランスサイレチン(ATTR variant:ATTRv)アミロイドーシスは,常染色体優性の遺伝性アミロイドーシスである。野生型トランスサイレチンATTR(ATTR wild-type:ATTRwt)アミロイドーシスと確実に鑑別し,最適な治療を実施することが重要である。

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厚生労働省 難治性疾患政策研究事業「アミロイドーシスに関する調査研究班」は,全身性アミロイドーシスの診断基準を改訂した。その基本的構成,野生型トランスサイレチン(ATTR wild-type:ATTRwt)アミロイドーシスの診断基準とともに,病型診断コンサルテーションを紹介する。

治す8 心アミロイドーシスの治療

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心アミロイドーシスでは,左室駆出率(left ventricular ejection fraction:LVEF) の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction:HFpEF)から左室駆出率の低下した心不全(heartfailure with reduced ejection fraction :HFrEF)までさまざまな心不全の形式をとる。心房細動・房室ブロックをはじめ多彩な不整脈の出現も認める。AL アミロイドーシスでは,特に心腔内血栓を伴いやすい。これらの治療は一般的な心不全・不整脈・抗血栓療法にて行うが,心アミロイドーシスの病態を形成する本体は心筋細胞間質へのアミロイド線維の沈着なので,まずは原病に対する特異的治療を考えながら一般的な治療を行っていく。

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AL アミロイドーシスに対しわが国で保険適用のある治療法は,メルファラン(melphalan:MEL)・デキサメタゾン(dexamethasone:DEX)併用のMD 療法と自家末梢血幹細胞移植(autologous stem cell transplantation:ASCT)であるが,近年,多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)に対して使用されるプロテアソーム阻害薬などの新規薬剤の有効性も報告されている。そこで本稿では,AL アミロイドーシスに対する治療アルゴリズムや新規薬剤について概説する。

c.ATTRv,ATTRwt に対する治療 関島 良樹
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ATTR アミロイドーシスはトランスサイレチン(transthyretin:TTR)を前駆蛋白とするアミロイドーシスで,遺伝性トランスサイレチン(ATTR variant:ATTRv)アミロイドーシスと野生型トランスサイレチン(ATTR wild-type:ATTRwt)アミロイドーシスに分類される。本症に対しては,TTR 四量体安定化薬やTTR mRNA を標的とした核酸医薬の有効性が証明され,近年注目されている。

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心アミロイドーシスは診断が困難な疾患とされている。しかし,近年,これまでの病理主体の診断から画像検査を活用した診断へと革新的な変換が起きつつある。各アミロイドーシスに固有の治療薬も登場し,本症を疑い適切にかつ早期に診断することの重要性が増している。

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Heart View
24巻11号 (2020年11月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:1342-6591 メジカルビュー社

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