薬局 75巻14号 (2024年12月発行)

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特集　プラス漢方でかゆいところに手が届く！皮膚疾患・皮膚トラブル

かゆみ治療：西洋医学と漢方の融合清水　忠道 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2250-2251

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巻頭カラー写真 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2253-2255

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皮膚の湿疹・かゆみを漢方医学・西洋医学の視点で因数分解する！①　皮膚の湿疹・かゆみを漢方医学の視点で因数分解すると？貝沼　茂三郎 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2257-2260

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Key Points

どんな皮膚疾患でも常に漢方医学的病態（陰陽，気血水，五臓など）を考える．

胃腸虚弱で湿疹・かゆみが改善しない場合，まずは胃腸のはたらきを改善する．

老人性皮膚瘙痒症は腎虚を考える．

皮膚の湿疹・かゆみを漢方医学・西洋医学の視点で因数分解する！②　皮膚の湿疹・かゆみを西洋医学の視点で因数分解すると？牧野　輝彦 , 清水　忠道 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2261-2265

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Key Points

湿疹・皮膚炎の代表的疾患であるアトピー性皮膚炎では，「皮膚バリア障害」「アレルギー炎症」「かゆみ」が相互に関連し病態を形成している．

アトピー性皮膚炎の病態には主にTh2型サイトカインが関与しており，これらを標的とした生物学的製剤やヤヌスキナーゼ（JAK）阻害薬は高い治療効果を示す．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！①　かゆみが強い，肌をかきむしってしまう，かさつく（乾燥肌）栁原　茂人 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2267-2272

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東洋医学では乾燥肌は「血虚」の徴候で「燥証」と捉えられ，長期化すると「陰虚」や「瘀血」が加わる．

当帰飲子を基本とし，これに六味丸，桂枝茯苓丸，温清飲を追加する「漢方ピラミッド」方式の治療を提案する．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！②　にきびや湿疹ができた・できやすい山本　篤志 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2273-2275

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にきびは，早期治療が重要で，西洋医学的治療でよくなることも多いが，難治な場合や副作用が懸念される場合は漢方薬を併用するとよい．

湿疹は，その原因や増悪因子の除去が重要で，通常治療を行っても繰り返す場合やステロイド忌避などで標準治療を希望しない場合には漢方薬のよい適応である．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！③　コラムここまでわかった！免疫機構・炎症反応と漢方薬のはたらき山﨑　研志 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2277-2279

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患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！④　頭皮や顔の赤み・湿疹やかゆみが続く，フケが多い（脂漏性皮膚炎）豊田　雅彦 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2280-2284

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脂漏性皮膚炎に対して漢方薬を用いた治療は有効である．

基本処方は十味敗毒湯であり，急性期にはやや多めの服用が有効である．

皮膚症状の状態に合わせて他の漢方薬を合方することが望ましい．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑤　頬や額を中心とした赤み，ヒリヒリ感が続く（酒皶）蓮沼　直子 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2285-2287

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酒皶は主に顔面（とくに鼻部）に好発し，びまん性発赤と血管拡張が生じ慢性に経過する疾患である．

瘀血状態と考えられ駆瘀血作用のある漢方薬，まずは桂枝茯苓丸を考える．

ほてり，熱感のような自覚症状が強い場合は，清熱作用のある漢方薬も検討する．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑥　顔や身体に紅斑が出る，皮膚が剥がれて粉が出る（乾癬）森原　潔 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2289-2293

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メタボリックシンドロームがあれば桂枝茯苓丸，桃核承気湯などの駆瘀血剤が候補となる．

熱の病態から黄連解毒湯，温清飲なども用いられる．

病名投与的方剤として柴苓湯が有名．漢方医学でも乾癬は難治である．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑦　汗をかきやすい（多汗症），あせもができた・できやすい天津　朗典 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2294-2297

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Key Points

多汗症と多汗（汗かき）は診断基準をもとに区別し，治療を行う．

多汗症には黄耆を含む方剤（桂枝加黄耆湯，防已黄耆湯，黄耆建中湯，補中益気湯）などが用いられる．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑧　創傷・熱傷処置で使用する漢方薬の使い方入江　康仁 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2299-2302

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創部感染の初期段階では越婢加朮湯，さらに浮腫が強ければ柴苓湯を併用．長期的には排膿散及湯を使用する．

熱傷も局所的に熱邪・皮水と考えられ，越婢加朮湯の適応．さらに滲出液が多いため当初から柴苓湯を併用する．

滲出液とともにタンパクを主とする栄養成分も喪失してしまうことから，長期的には気虚・血虚の状態に陥るため，補気・補血剤が効果がある．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑨　月経周期や更年期に関連する肌荒れ鵜飼　恭子 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2303-2305

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女性ホルモンの影響は，多岐にわたり皮膚にも影響を与える．

ホルモンは，皮脂分泌や水分量，バリア機能にも波及し女性のQOLに大きく影響する．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑩　かゆみなど肌の不快症状による不眠やいらつき ─心因性皮膚疾患─ 黒川　晃夫 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2307-2312

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心因性皮膚疾患に対する漢方処方が適応となる主な症候として，気の異常を呈した状態，すなわち，全身倦怠感，不安感，うつ状態，不眠，易怒性などがあげられる．

漢方処方が頻用される著効患者像としては，主に，アトピー性皮膚炎，蕁麻疹，円形脱毛症，帯状疱疹に伴う神経痛に関連した心因性の病状が認められる患者などがあげられる．

心因性皮膚疾患に対する漢方処方では，気虚を有するアトピー性皮膚炎に対する補中益気湯の有効性が報告されている．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑪　子どものアレルギーマーチ ─アトピー素因・皮膚炎を中心に─ 中島　俊彦 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2313-2317

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子どものアレルギーマーチに関して，乳幼児期における湿疹の早期コントロールは重要．

西洋薬，漢方薬にこだわらず，皮膚の症状にあわせて治療をする．

漢方薬は，目の前にある症状を改善する（標治）と体質改善を図る（本治）の2つの方法がある．

患者さんを煩わせる皮膚のトラブルをプラス漢方で解消する！⑫　がん治療による皮膚への副作用・合併症元雄　良治 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2318-2321

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Key Points

抗がん薬による皮膚障害として，手足症候群・痤瘡様皮疹・爪囲炎がある．

使える漢方方剤は，十全大補湯・越婢加朮湯などの服用，紫雲膏の外用がある．

漢方薬の使い分けでは，皮膚の乾燥・浮腫・化膿などをめやすに方剤を決める．

診療ガイドラインに学ぶ！皮膚疾患治療のプラス漢方①　痤瘡，にきび・吹き出もの鳥居　靖史 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2323-2325

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痤瘡治療では瘢痕を残さないようにするために早期から炎症を鎮める必要があり，それには荊芥連翹湯，清上防風湯，十味敗毒湯が有効である．

十味敗毒湯に冷やす生薬を強化した漢方が清上防風湯，さらに補血剤を追加した漢方が荊芥連翹湯である．

駆瘀血剤の桂枝茯苓丸は生理周期によって増悪する症例に併用するとよい．

診療ガイドラインに学ぶ！皮膚疾患治療のプラス漢方②　アトピー性皮膚炎市山　進 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2326-2328

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現代医学的な診察に基づいてアトピー性皮膚炎と診断し，標準治療を行う．

漢方薬の位置づけを患者に説明し，患者の希望があれば，体質・気質・病状も考慮して漢方薬の併用を開始し，有害事象にも注意していく．

診療ガイドラインに学ぶ！皮膚疾患治療のプラス漢方③　蕁麻疹橋本　喜夫 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2329-2332

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経験的に慢性特発性蕁麻疹に対してのみ漢方薬が有用である．

蕁麻疹に対する筆者の標治療法の第一選択は茵蔯五苓散である．

感染症で悪化するものは葛根湯，特徴のない蕁麻疹には十味敗毒湯である．

筆者の考案した特発性慢性蕁麻疹の方剤選択フローチャートを紹介した．

皮膚トラブル回避！漢方方剤のやさしい使い方①　患者を副作用の皮膚トラブルで困らせない！漢方方剤のやさしい使い方野上　達也 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2334-2336

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皮膚トラブル回避！漢方方剤のやさしい使い方②　コラム漢方方剤の効き目をみきわめる期間はどれくらい？皆川　智子 , 紺野　真緒 , 坪　敏仁 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2337-2338

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Exercise　（最終回）大井　一弥 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2340-2341

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連載

えびさんぽ（第36回）　皮膚疾患の症状緩和に対して漢方薬は効果がありますか？青島　周一 75巻14号 , 2024年12月 , pp.3246-2248,2342-2343

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Gebaita?! 薬剤師の語ログ（第36回）　その対策，本当に意味のある対策？？髙島　英滋 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2344-2349

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飲み合わせ研究所　子どもの服薬Tips（第24回）　タベジール^®錠1mg 小嶋　純 , 米子　真記 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2350-2351

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医薬品適正使用・育薬フラッシュニュース佐藤　宏樹 , 澤田　康文 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2352-2353

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ベンゾジアゼピン系薬を漸減しても生じる症状

ポイント

米国で行われたインターネット調査で，ベンゾジアゼピン系薬を漸減・中止した際の症状として，緊張/不安/おそれ，睡眠障害，集中困難/注意散漫，気力低下が多かった

これらの症状は数ヵ月～1年以上と長期に持続していた

ガチではじめるマジでわかる経口抗がん薬（第10回）　イクスタンジ^®（エンザルタミド）の食欲不振坂田　幸雄 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2245,2355-2363

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薬剤師力の型―新たな思考と行動プランを手に入れろ！（参拾陸ノ型）　低ナトリウム血症出現！検査値のみに囚われず，患者状態を確認せよ！西田　祥啓 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2365-2371

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事例

「低ナトリウム血症が起こったとき，どのように対応すればよいですか？」

「全（ZEN）か無（MU）か」じゃないんだよ薬物相互作用（File 03）　ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬関連薬物相互作用平井　利典 , 児島　悠史 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2372-2379

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ぐっとよくなる！漢方処方快訣ビフォーアフター（第12回）　「何にでも効く薬」は難しい焦点を絞った漢方薬の使い方津田　篤太郎 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2380-2383

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がん研有明病院薬剤部の ABCセミナーの楽屋話副島　梓 , 野々宮　悠真 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2384-2389

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目次 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2242-2244

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奥付／次号予告 75巻14号 , 2024年12月 , pp.2392-2392

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薬局
75巻14号
(2024年12月発行)

電子版ISSN：印刷版ISSN：0044-0035 南山堂

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