投稿論文 展望・レビュー論文
心理療法家自身が心理療法を受けることに関する日本の現状および今後への提案
古宮 昇
1
,
Tudor Keith
1カウンセリング・ルーム輝
キーワード:
精神療法
,
保健医療サービスの必要と要求
,
臨床心理士
,
資格認定
,
専門職の役割
,
自信
,
スーパービジョン
Keyword:
Certification
,
Psychotherapy
,
Health Services Needs and Demand
,
Psychotherapists
,
Professional Role
pp.641-648
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
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国際的に、心理療法家は訓練の一環として、および自分自身の心理的健康のために心理療法を受けるよう推奨されることが多い。心理療法家にとって心理療法を受けることにはつぎのような効果があることが示唆されている。純粋さ、温かさ、受容、共感を体感する。心理療法技術の向上、自己肯定感の向上、ストレス軽減など。そして西洋文化圏での調査研究から、心理療法家の多くが心理療法を受けた経験を有しており、彼らの大部分がそれを肯定的な経験として評価していることが分かっている。それに比べて日本では、心理療法関連団体のほとんどが心理療法を受けることを公式には推奨しておらず、限られた調査によると心理療法家が心理療法を受けることはあまり多くないようである。日本の心理療法家が心理療法を受けることに消極的である理由について考察するとともに、今後は日本でも心理療法家が心理療法をより活発に利用するようになるための提案をおこなう。
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