State of the ART
非浸潤性乳管癌に対する治療の現状と今後の展望 ─癌のデータベースを用いたコホート研究の経験から─
相良 安昭
1
1社会医療法人博愛会相良病院院長
pp.17-22
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.02_0017-0022
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「ポイント」・研究者が利用可能な癌に関する多くのラージデータベースが米国には存在しており,ランダム化比較試験では実施困難な治療効果の比較検討や記述研究,薬剤上市後の稀な副作用の早期発見などに利用されている。・マンモグラフィー検診を導入した国では超早期癌や非浸潤性乳管癌(DCIS)の罹患率が増加してきており,過剰診断,過剰治療の可能性が示唆されている。・DCISに対して手術と放射線治療を行うことが標準治療として行われてきたが,それらの治療効果はDCISの生物学的特性や臨床病理学的因子によって異なることを,われわれはラージデータベースを用いて明らかにした。・さらなる臨床試験やラージデータベースの解析を通じて,バイオロジーに応じたDCISの新たな治療戦略が検討されている。
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