ウイメンズヘルス
更年期障害
pp.59-63
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.01.02_0059-0063
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「更年期障害の概説」女性のライフサイクルは,幼児期,思春期,性成熟期,更年期,老年期と分類される。卵巣から分泌されるエストロゲンは思春期に増加し,性成熟期にピークへ達し,更年期で低下し,老年期で消失する。日本産科婦人科学会ではエストロゲンが低下する45歳から55歳までを更年期とし,「更年期障害は更年期に現れる多種多様の症候群で器質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と定義している。その症状はのぼせ,冷汗,冷え性,心悸亢進など血管運動神経障害,易疲労感,不眠,うつなど精神神経障害が主たる特徴であり,そのほか広義では,泌尿生殖器の萎縮変化,動脈硬化,骨粗鬆症にまで及ぶ(図1)。更年期障害の主たる原因はエストロゲン低下にあるが,環境因子,性格,免疫状態なども関連するため,その病態は時にきわめて複雑となる。
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