連載 ドライアイ外来最前線
私のドライアイ診療② ―北里大学北里研究所病院眼科―
川北 哲也
1
1北里大学北里研究所病院眼科部長
pp.66-67
発行日 2019年11月8日
Published Date 2019/11/8
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.02_0066-0067
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名古屋大学大学院在学中に,初めて参加した学会「角膜カンファランス」で,東京歯科大学市川総合病院眼科助教授だった坪田一男先生(現 慶應義塾大学医学部眼科教授)との出会いがありました。それをきっかけに,市川総合病院眼科の外来や手術を見学するようになり,2000年の大学院卒業後,角膜フェローとして同病院眼科に勤務することとなります。2002年より米国フロリダ州マイアミにあるOcular Surface Centerに留学し,Dr. Scheffer Tsengに指導を受け3年間,角膜幹細胞の研究を手がけて帰国しました。坪田先生はドライアイの研究から角膜幹細胞の研究に着手されていますが,私はその逆で,幹細胞の研究を先行していたため,坪田先生から「次はドライアイを」と託され,ドライアイをはじめとする角結膜疾患を中心に研究,診療に勤しむこととなります。まだ,保険病名として「ドライアイ」が収載されていない時代です。「乾性角結膜炎」などと診断していましたが,ジクアスなどの新規点眼薬が登場する前で,できる治療は限られていました。当時を振り返って,ドライアイ診療を取り巻く環境はずいぶん変化したものだと実感します。
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