Interview
「現代病」ドライマウスをどうやって治す ~うるおいある日常をめざす治療最前線~
斎藤 一郎
1
,
坪田 一男
2
1鶴見大学歯学部病理学講座教授
2慶應義塾大学医学部眼科学教室 教授
pp.1-4
発行日 2019年11月8日
Published Date 2019/11/8
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.14.02_0001-0004
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坪田 本日は,鶴見大学歯学部教授でドライマウス研究会代表を務めておられる斎藤一郎先生をお招きして,ドライマウスをテーマにお話を伺って参ります。どうぞよろしくお願いします。斎藤 こちらこそ,よろしくお願いします。坪田 ドライマウスはドライアイと共通する部分が多く,長らく共同研究を手がけるなか,斎藤先生からは非常に多くのことを学ばせてもらっています。今,ドライマウスの領域ではどのようなテーマが注目されているのでしょうか。新たなトピックスがあれば,ご紹介下さい。斎藤 ドライマウスは,実に多くの要因が関連して生じる症状です。1つは,自己免疫疾患であるシェーグレン症候群による口腔内乾燥で,これが全体の約1割を占めています。そしてもう1つ,残りの9割については長年の解析から,実はストレスなど,現代社会ならではの問題を背景に唾液分泌量が減少し,口腔内が乾燥することがわかってきました。しかも,原因は1つではなく複合的に絡んでいる傾向があります。ドライマウスには,心理社会的要因が大きく関連しているというのが最近の理解ですね。
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