特集 CURRENT TOPICS 食道がん研究の最前線
巻頭言
浅香 正博
1
1北海道医療大学学長
pp.17-17
発行日 2019年7月20日
Published Date 2019/7/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.15.01_0017-0017
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30年ほど前までは,食道がんの病理はわが国も欧米も大半が扁平上皮がんであった。それが1980年代より欧米において腺がんが急速に増加し,1990年には過半数を占めるようになり,現在では80%を超えるようになってきた。しかるにわが国では状況はほとんど変化せずに扁平上皮がんが圧倒的に多い。なぜ欧米でこのような劇的な変化が生じたのか未だによくわからない。米国でも黒人ではわが国と同じように扁平上皮がんが多く,腺がんの上昇はみられていない。食道の扁平上皮がんはその原因の大半が喫煙と過度のアルコール摂取であり,予防は禁煙,禁酒に尽きるのである。一方,食道腺がんの原因の大半は肥満由来と言われているが,発がん機序の詳細は不明である。
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