DEBATE ON GI THERAPY ディベート
H. pylori若年者除菌の実施時期「中学生が最適である」とする立場から/「成人式が最適である」とする立場から
間部 克裕
1
,
加藤 智惠子
2
,
三輪 洋人
3
1国立病院機構函館病院消化器科部長
2富山大学医学部内科学第三講座 臨床教授
3兵庫医科大学内科学上部消化管科主任教授
pp.41-53
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.13.02_0041-0053
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三輪:今回は「H. pylori若年者除菌の実施時期」をテーマとして,間部先生には「中学生が最適である」,加藤先生には「成人式が最適である」とするお立場でディベートを行っていただきたいと思います。まず,H. pylori除菌の意義として,胃がん抑制効果をはじめ,胃の器質的疾患や胃炎を予防するメリットについては異論がないところだと思います。そして現在,各地の自治体において若年者を対象としたH. pyloriの感染検査・除菌(Figure 1)が導入・検討されている状況で,最も除菌効果が得られる時期はいつかということが議論の中心となってきています。今回のテーマで取り上げた中学生と二十歳では,約5年の差が存在します。その差によってどのようなメリット,デメリットが生じるかについてディベートを行うことで,若年者除菌の今後の運用に役立てばと考えています。まずは間部先生から,H. pylori除菌の胃がん予防効果について解説をお願いします。●本企画は,問題点をより明確にすることを目的としているため,ここでの論者による議論は,あえて一方の見地に立った場合のものであり,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
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